久高島のイラブースープ

イラブー
カベール
久高島の
イラブースープ

400年以上続く
極上のおもてなしスープ

久高島の特産品でもあるイラブーは、高い栄養価から滋養強壮に良い食材とされ、琉球王朝の時代には宮廷料理として親しまれてきました。ソーキや昆布などと一緒に煮込んだスープは、濃厚でありながら品のある、深みのある味わいが特徴です。

旧暦の6月から大晦日の間、日没後から深夜にかけて毎晩のように行われるイラブー漁は、岩場に産卵に来たイラブーを待ち構え、手づかみで捕獲する伝統的なもの。網などを使わないのは人間の力が及ぶ分だけをいただく自然崇拝のあらわれで、自然と共に生きる海の民の知恵でもあります。

漁を始める日や燻製を終えた釜だしの日には、海からの授かり物に感謝を捧げる儀式が、毎年欠かさず行われています。

イラブー定食は「食事処 とくじん」で食べることができます

集めたイラブーは、島にあるモンパの葉やアダンの実を使い、島にある燻製小屋「バイカンヤー」でおよそ200匹ずつ燻製にします。保管されている間も、飲まず食わずで生き続けるという生命力。このイラブーを、茹で、ウロコをむき、再び茹でてから形を整え、7日間燻しつづけて燻製が完成します。火種となる植物の配合や燻製作業の詳細は、すべて口伝えで継承されてきました。

移り変わる時代の波間に消える事なく、その技と知恵が現代にまで引き継がれていることは、驚きに値します。イラブーは保存のきく燻製にしている為、食べることの出来る状態に戻すまでにはひと手間かかりますが、その分食べる方の事を考え心を込めて調理されます。

ぜひ久高島を訪れる際には、イラブーが食卓に届くまでの工程に思いを馳せ、「いただきます」と声に出しお召し上がり頂ければ幸いです。